伝説の『帆布ランドセル』との出会い
『帆布ランドセル』を初めて目にしたのは、2004年のことでした。
偶然、福山のカバン店で、この古いランドセルを発見。
店主の津川氏によると、約30年前、尾道の長江中学の男子学生用として作られたもので、
毎年、入学シーズンにあわせて、年末から作りはじめ、その年も
何個か出来上がっていたのですが、突如、採用が中止となったそうです。以来、約30年間、倉庫に眠っていたのがこの『帆布ランドセル』(写真)なのです。
2006年、30年振りに『帆布ランドセル』復刻版を発表
復刻版の特徴
・リュックベルト交換方式による
「大人のランドセル」
・色展開
課題と仕様変更
児童が天候に関係なく、ほぼ毎日使用、という状況の中、特に耐久性の点で課題が判明。
毎年のように課題解決のため仕様変更を繰り返し、耐久性の向上とより背負いやすいデザインに変更。
(写真:2006年モデル)
2013年、帆布ランドセル『ランザック』(ransack)でグッドデザイン賞受賞
天然素材である帆布の『丈夫さ』と『柔かさ』を活かし、 箱型ランドセルの堅牢な収納力に、リュックの機能性を加えたデザイン
[主な仕様変更点]
・フラップがシワにならない特殊加工
・背板にクッション材
・リュックベルトから金具を排除
2023年、『ランザック』販売10周年
~ランザックユーザーの検証のおかげで成長~
こだわったのは6年間の使用に耐えうる仕様
2013年以降、修理に持ち込まれる箇所を分析し改良を重ねました。
2019年の仕様にして以降、通常の使用での修理はほぼゼロまで減少。
ランザックユーザーによる検証と工房の共同作品として成長。
ランザックの主な改良点
・調整ベルトを帆布に変更
・雨除けフラップの形状変更
・中敷の固定
・サイドの金具をセミナスカンに変更